「敗北」
敗北。
今、俺は、決定的な敗北を喫した。
誰がどう見ても負け。
完膚無きまでに俺の負けだろう。
辛く苦い敗北の味。
その味を覚えてしまった。
覚えさせられてしまった。
これまで一度も負けたことが無かった。
ああ、そうさ、ここに来てから負けたこと何てなかったんだ。
思い上がり?
そうかもしれない。
過去の実績
そういうものにとらわれ過ぎていたのかもしれない。
完全に油断していた。
自分はこんなところで負けるはずはない。
そう思っていたことは否定できない。
盲目的に信じていたのだ、自分の勝利というものを。
可能性としてはあるかもしれないが
俺が負ける確率というものはごく僅かだと。
しかし、社会は非情だ。
現実は無情だ。
敗北という言葉が容赦なく俺に突き刺さる。
鋭いナイフのように。
あたかも現実的な痛みがあるかの如く。
俺は今自分がどういう表情をしているかが手にとるようにわかる。
おそらく、今まで見せたことのないような表情。
この敗北がこれから先、俺にどういう影響を及ぼすかはわからない……。
が、遠く無い将来、いや、すぐにでも苦難が待ち受けているのだろう。
この敗北によって。
――――――――
どうもさっきからあいつの様子がおかしい。
先ほどの勝負の後からどうも元気がないようだ。
そりゃ、負けたんだから少しは落ち込むかもしれないけど……。
「掃除当番になったくらいで、なにそんなに落ち込んでるんだ?」
アトガキ
webclap!
前回に引き続き昔書いたギャグ。
掃除当番のジャンケンで負けちゃった感じ。